月曜日、アジサイが咲いてきた道をお散歩
小さいビワの実や赤ちゃんの柿の実など、小さい夏の兆しを見つけて、
この日もつつがなく過ぎていくはずでした…
舌ちょろで眠るマーベリック
この日の夜のこと…
寝室で、いつもは朝までぐっすり眠るマーベリックが、いつまでたっても全く寝る気配がありません。私のそばに来て、背中を撫でて、とにじり寄ってきます
それもただの甘えたが出ているだけのようであり、私がいない時間がいつもより少しだけ長かったからかな、とか、昼間よく寝たからかな、とか考えていたのですが、夜中の2時になっても、3時になっても、寝ない。お座りして、私になでなでを求め、やっと横になり寝息を立てて、やれやれ、と私も寝ようとすると、目をぱちっ、と見開いて、また起きてしまう。お座りして、私に、おい、おいって手でぽんぽんってしたり、立ち上がって、そのまましばらくじっとしたり・・・
なんだか尋常じゃない様子。
去年の9月に、真夜中、ぎゃんっと悲鳴を上げて起きて来たときがあって、その時も、こんな感じでした。その時は、夜間病院に駆け込んで、翌朝かかりつけ医にいって、いろいろ調べてもらいましたが、原因はわからず、確定診断もできず、それ以来マーベリックもなんでもなかったように元気になっていました
やっぱり、ヘルニアかもしれない・・・。不安な思いに駆られましたが、本人が痛そうでもなく、もう明け方にもなっていたので、今回は遠くの夜間病院に駆け込まずに朝一で病院に行くことを決め、マーベリックの背中をさすり続けました
外が明るくなってきて、病院に行く支度をしだすと、マーベリックの様子が変わり、はじめは後ろ足がぶるぶる、そのあと震えは全身に広がりました。全身の毛が逆立つような感じで、頭をなでると痛そうにびくっと体をすくめます。ヘルニアの疑い濃厚、しかも後ろ足や背中ではなく、首かもしれないと思いながら、急ぐ車の中、マーベリックは首を少し沈めたようにして、ぶるぶる、震えが止まりません。
とにかく早く、と、せく自分の気持ちを抑えながら、朝8時、病院に入ると、それまで全身震えていたマーベリック、震えがぴたっと止まり、何事もなかったかのような、いつも通りな様子になりました。動物って痛みを隠すっていうけれど、本当、一見して元気になってしまいました。
診察室に呼ばれ、状況を話すと、先生は、まずはどこが痛いのかを触診で確認していきます。
首を上下左右にゆっくり回しても、体を触っても、マーベリックは鳴きも痛がりもしません。
後ろ足を動かすと、ぱきっと音がして、膝がずれていたことが分かりました。でも、そのくらいでは痛くないそうです。
さらに、検温をすると、体温38.1℃と平熱ぎりぎりくらい、少し低いな、と先生。そして心拍数も少なかったらしく、先生が甲状腺機能低下の可能性も疑い始めました。4月の定期健康診断血液検査では甲状腺の値までは調べていなかったし、そういわれると以前からさわると体が冷えてると感じることがあったので、調べてもらうことにしました
血液検査で、結果がその場で出るとのことで、病院の待合室で待ちました。その時、夜眠れなかったマーベリックは、腕の中でいびきをかいて寝始めちゃって、家で震えていたのがうそのようでした
しばらくして血液検査の結果が出て、甲状腺ホルモンが減少している兆候はありませんでした。
一緒に体の炎症も調べましたが、その数値は0でした。一瞬、じゃあヘルニアじゃないのかと思ったら、数値的に0であっても、全身ではないけれども、部分的に炎症がおきていることがあるそうなんです。この時点で甲状腺機能低下症の可能性はなくなったけれど、ヘルニアの疑いは残ります
次に、内臓の様子をエコーで確認することになりました
なにやら黒いビニールクッションが診察台に載せられ、そこに仰向けに寝かされることに…。マーベリック、仰向け無理じゃないかなーとひやひやしながらも、看護師さん2人と先生、3人がかりで、抗うマべ、おなかを出して寝かされます。じたばたするマべ、必死であごをなでなでする飼い主
エコ-画面には、マーベリックのおなかの中が映し出されます。先生が言います。「以前、ヘルニアかと思っていた子が、実は脾臓の裏に腫瘍があったことがあったんです。」そこで、脾臓を中心に、腎臓、肝臓、腸、前立腺と、くまなく内臓の様子を見てもらいました。結果はなにもありませんでした
エコーが終わって、「この子は動くからレントゲンは無理だね」と先生がさらっと言われて、聞けば、レントゲンでは、ヘルニアかどうかわからないのだそうです。
ヘルニアを確定診断するには、CTやMRIしかないそうです。(先生はMRIがより細部までわかるのでお勧めと言われていました)
マーベリックには麻痺もなく、状態は軽めで、MRIで確定診断を下すには時間もかかるので、今回は、まずは外堀からヘルニア以外の可能性をつぶしていく方式をとることにしました
最終的に、再度の先生の触診で、頭を触ると「いたっ」っていうようにマべが首をすくめる動作をし出して、頚椎ヘルニアの疑い、という結論に至りました。
ヘルニアは治療開始までのスピードが大事だそうです。そこで今回、マーベリックは、確定診断をすることなく、先生の判断で治療に入ることに決めました。
治療は、手術か、安静にして時が立って治癒していくのを待つかのどちらかで、マーベリックは手術の必要はないということでした。ヘルニアは骨と骨の間から綿のようなものが出て、それが神経を圧迫して麻痺や痛みの出る病気ですが、飛び出た綿のようなものは、周りの炎症が収まると、1か月くらいかけて体内のマクロファージに食べられてなくなるそうです。
今回マーベリックには、炎症を抑えて痛みをとる対処療法がとられました。炎症を抑える薬には、ステロイドを使うか、非ステロイドを使うかの2択でした。先生が言うには、ステロイドは劇薬とも言われるが、短期間で使う場合には、副作用も少なく効果も高い薬だとのことでした。先生の経験上は、ステロイドで問題が出た子はいなく、一方の非ステロイド薬のほうで胃腸障害が出た子がいるとのことでした。私は自分もアレルギーでステロイドの投薬治療をしたことがあったり、前に飼っていたフェレットにも使って、その飲み方や、効果が速やかなことは知っていたので、マーベリックにもステロイドを選択しました。
まずはその場で、ステロイド薬を注射してもらい、あとは自宅での投薬です。
処方された薬は、ステロイド(抗炎症剤)の他に、ガバペン(鎮痛薬)もありました。ステロイドのほうは今日から6日間、段階的に薬の量を減らして飲みます。ステロイドの副作用は、お水をよく飲み、食欲が増すことで、お水は飲みたいだけ飲ませてあげていいそうです
一睡もしていないマーベリックと飼い主、昨夜から半日を越える痛みとの戦いにひと段落。家に着くと、ステロイド注射と飲ませたガバペンが効いてきたのか、やっとほっとした表情を見せるマーベリック。痛かったよね、痛いのは嫌だね、マーベリック
思い返しても、いつも通り過ごしていて、なにかあったわけでなく、それは9月の真夜中のキャンのときも同じで、安静時から突然でした。以前のレントゲンから、フレブルに普通に見られる背骨の奇形も、一か所のみで少なかったことは確認できています。日ごろの負担の積み重ねが影響するのでしょうか
頚椎ヘルニアになると、首が下がらず、食器に口がつけられなくなることから食欲が落ちるように見える場合もあると言われたので、首に負担がかからないように、とりあえずのお水入れと食器の台を自作しました。家にあった捨てる前の牛乳パック。これを使って、3本を1面として、それを2段にかさねます。テープでしっかり止めれば安定感もあるし、水をはじくので機能としてはばっちりです。実際につかってもらったら、首を下げずに飲食できる、ちょうどいい高さです
このときはほっとして、先生から大事なことを言われたのをすっかり忘れていました
一番大事なのは、安静。
「お散歩は禁止です」
と言われたのを、この後思い出して、はっとするのでした。
やっと眠れたこのお方……
眠りから覚めて、痛みも取れて、元気さが戻ってきても、マーベリックはお散歩に行けません
それも、今日から1か月も!
トイレに行くのはいいけれど、お散歩はだめだよ、って先生
どこまでがトイレで、どこまでが散歩なのか、トイレが済んだら速やかに帰るのが散歩との違いらしい
気分転換がないと余計に家で暴れてしまうので、トイレには行こうと思いますが、段差や引っ張りに注意して、ゆっくりと歩かないとですね。治療、がんばります
痛みも生きていればこそ…日常を一層大切にかみしめていきたいと思います