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散歩/Walking with Mave 随想/essay

マーベリック、蛍を見る

昨夜、皆が寝静まったころ、まべと出かけました

向かった先はここ・・・

蛍です

昼間、まべと散歩している田んぼのあぜ道に来ると、

 

つー

つー

 

と、ゆるいカーブを描いて

光っては消えて

光っては消えて

蛍が数匹、飛んできました

 

小川の静かな水の音と

蛙の声と

ゆるやかにまたたく蛍の光

夜の空は半球を描いて、すっぽり私たちを包み込んでくれています

田んぼの奥に進んでいくと、木立があり、小川が流れています

ゆるやかなカーブをまがって進んでみると

開けた木立の葉陰から、うねる小川に沿って

近くに遠くに光っては消える光が無数に見えてきました

100匹以上いるみたいです

木立ちについた壮大なイルミネーションのように、でも、

それは、今まで見てきた数々のイルミネーションより

ずっとはかなく繊細で

触れたらすぐ消えてしまうような

やわらかなやさしい光の饗宴

 

そのままさらに進んでいき、小川に近づくと、土手に蛍が群れていて

こちらの手に触れそうなほど蛍が近くに寄ってきました

蛍たちが挨拶をしてくれているみたい

「また来るね」

と、思わず蛍に言った先から、同じ蛍には二度と会えないことに気が付いて

今という時間がどうしようもなく大切なものに思えました

 

他に人はいなくて、まばらに見える民家の明かりだけが人の気配を感じさせています

こんなに美しい光景の中に暮らせる人たちは

どんなに豊かで幸運なことなんだろうか

世の中にはいろいろな種類のぜいたくがあるけれど

こんな”ぜいたく”は、私に、まぎれもなく、生きていることを実感させてくれました

 

大きなたゆたうゆらぎに包み込まれる中で

まべもおとなしく座って

目の前の光景をじっと見つめていました

 

写真も撮ってはみましたが、やっぱりうつりませんでした

目で見ることしかできないと、その光をより美しいと思えます

 

まべ「なるほど。『本当に大切なものは目に見えない』って、どこかの王子が言ってたけど、本当に美しいものは、写真にはうつらないんですね!!!」

まべ「本当はもっと僕のいいところをお伝えしたいんですが、残念ですね」

まべ、それはちょっと違うと思うよ。

それに、まべのワイルドさは、ちゃーんと伝わってるからね!

 

フレンチブルドッグひろば

作成者: Marple

日本の南で、太陽をさんさんと浴びながら、そこはかとなく暮らしています。
I live vaguely while taking the sun brightly in the south of Japan.

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