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散歩/Walking with Mave 随想/essay

海鳴りは耳鳴りの音

今日はマベレーヌさんと、やっと紅葉が始まったお散歩道を歩きます。

12月だから、もう秋とは言えないけれど、気分は秋のただなか。

ヴェルレーヌの”落葉”から、マベレーヌさんが口ずさみます。

秋の日の
ヴィオロンの
ためいきも
ひたすらに
身にしみて
ただ悲しい
鐘のおとに
胸がつまり
青ざめて
涙ぐむ
過ぎし日の
思い出よ…
わたしは
おちぶれたのか
ここかしこ
さだめなく
飛び散交う
赤い落ち葉よ

昔夢中になった海潮音。

海鳴りが耳鳴りのように心をざわめかせた。

しかしそんな海鳴りにひたれたのも、学生の頃だけだった。

今、私は、

だれしもが

おちぶれる

なんてことはない

ことを、知っている。

落ち葉はまた次の始まり。

美しいのは、刹那の奥に見える、つながっていく何かであることを、知っている。

フレンチブルドッグひろば

作成者: Marple

日本の南で、太陽をさんさんと浴びながら、そこはかとなく暮らしています。
I live vaguely while taking the sun brightly in the south of Japan.

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